マニュアル文(白浜編)
行動マニュアルは、あくまで状況判断のための補助であり、今後実際に、マニュアルに無い状況下で判断を下す場面での部員の指針となるように作られたものである。 部員はこのことを理解して、危機管理について自発的に考えていかなければならない。
責任者・グループ
- 各練習日で練習運営の責任者を決め、責任者を中心に練習を行う。
- 責任者は二回生(幹部)の中から選ぶ。
- 自己責任での出艇という判断は極力控え、責任者は部員全員が練習を安全に進行する責任を負う。
出艇前の準備
- 出艇、帰着申告表を作成する。
- 責任者が出艇、帰着申告表に、その日の風速・風向の変化予想、気圧配置に関するコメント、注意報・警報の有無、練習終了予定時刻を記入する。
- その日の風速や風向予報、気圧配置図、注意報、警報の有無を全員把握して出艇する。
- 携帯電話を持っていなければ出艇してはならない。有事の際に操作しやすいように、パスワードを解除しておくなど工夫する。
- 携帯電話の故障などでどうしても使えない場合は、艇団から離れないように注意し、その旨を必ず班長などに伝えておく。
- 緊急避難時に備え、その日の責任者は自らの携帯電話を袋に入れて指定の場所に置いておく。([津波発生時の対応]の項に詳細を示す)
- ライフジャケットを常に正しく装着する。
- 1回生はマリンブーツ(もしくはそれに代替するもの)を装着すること。
- 出艇の際は必ず有効な浮力体を着用すること。ライフジャケットで留め具のないものや中綿の飛び出している物等は認めない。
- 1回生はマリンブーツ(もしくはそれに代替するもの)と、ビブスなど色が目立ち、遠くからでも位置がわかるものを装着すること。
- その他、危険回避に繋がる行動を各自で行うこと。
海上でのグループ行動について
- 海上では基本的に複数名からなるグループで練習する。
- 責任者の指示の下で活動を行い、責任者がグループメンバーの安全に責任を持つ。
- 何らかの理由でグループから離れて行動する場合は、必ず責任者の許可を取ること。但し、
- 風向きがonshore(西―北―東)のときに、offshore(東南東-南-西南西)に変化する可能性が高い場合
- 風向きがonshore(西―北―東)のときに、offshore(南南東-南-西南西)に変化した場合
- 風向きがサイド(北東~東、西~西北西)でプレーニングができる風である場合
- 風向きがサイド(北東~東、西~西北西)でプレーニングができる風に変化する可能性がある場合
- また、サイドやオフショアで風が強くなる予報の場合、帆走能力に自信のないもの、あるいは班長に帆走能力がないと判断されたものは浜付近で乗る、もしくは出艇を控えること。
- 技術的にグループについていけない者は、常にグループの位置を把握すること。 また、
- グループよりも岸側にいる
- 別紙に示される範囲内にいる
- 責任者は、技術的にグループについていけない者が自分のグループにいる場合、その者の位置を常に把握すること。
- 船の半径20m以内には近づかないこと。
- その他、危険回避に繋がる行動を各自で行うこと。
帆走範囲
帆走範囲については別紙に記された白抜きの範囲とする。- 風向き:北西~北北東時、別紙斜線部を帆走範囲とする。(白塔~NEXTの東端まで)
- 風向き:北東~東時、別紙斜線部を帆走範囲とする。(南北:浜~黄塔、東西:NEXTの西端~4NEXT)
- 風向き:東南東~南~西南西 出禁
- 風向き:西~西北西時、別紙斜線部を帆走範囲とする。(南北:浜~黄塔、東西:NEXTの西端~4NEXT)
出艇禁止
以下の場合は出艇禁止とする。- 風向が東南東~南~西南西の場合。但し、この風向の風でプレーニングができる風ではなく、かつ予報が風速6m/sec以上の場合で、帆走能力に自信があり、道具のトラブル等によるレスキュー時に道具をすべて失ってもよいという覚悟のある者は出艇することができる。
- 風向が北東~東、西~西北西でプレーニングができる風である場合。但し、ここで西北西の風とは、出艇直後にポートで乗った時正面に黄塔が見える風のことを言う。
- 春一番の予報が出ている場合。
天候:風速・風向と、その変化に対する対応
- onshoreの風からoffshoreの風に変わりそうになったら、必ずそこで一度、全員・全グループが浜に集合すること。
- 雷音が聞こえたら、すぐに浜に帰ること。その後の再出艇判断は責任者が行う。 以上の事柄を部員全員が理解しておくこと。
緊急時の対応
- リグ部に故障が生じた場合でも、ボード部から離脱させないようにする。
- 自力では帆走困難な状態に陥った者(以下、遭難者と表記)がおり、以下の三つの条件のいずれかを満たす場合、海上保安庁に捜索を依頼する。TEL0739-22-2000(警備救難課)
- 遭難者の位置が分からない場合
- 遭難者が日没までに流れ着かないと判断される場合
- 遭難者がどこにも流れ着かないと判断される場合
- 何らかの理由で帆走困難となっている初級者や、道具トラブルに陥っている者に上級者が海上で付き添う場合には、付き添う人数は最大で1人につき2人とする。また、基本的に、付き添う者は責任者にその旨が伝わることが確認されてから行動する。
- その他、各自で最適と判断できる対応を行う。
海上保安庁との関係
- 「自主練習時は個人としての活動」、「合宿時は京都大学としての活動」という形式をとっている。
- 京都大学として活動する場合(合宿)、海上保安庁に活動の許可を申請しなければならない。
- 合宿時のみマークを打つことができる。
- 合宿時には浜に待機要員をつけ、海上保安庁と連絡の取れる状態にしておく。
- 自主練習時には安全確認のための集合用マークとして一つだけ浜付近にマークを打つことができる。この時、他の海の使用者の邪魔にならないように気をつけなければならない。
津波発生時の対応
- 地震発生により津波注意報・警報が発令された場合にはただちに浜に帰着する。この際近くにいる部員その旨を伝えること。帰着する浜は必ずしも京大浜でなくてよく、最も近くの浜に帰着する。帰着後すぐに、浜から近い高台へと避難する。
- 避難後、事態が落ち着いたと判断したら可能であればその日の責任者に状況を伝え、南方熊楠記念館へと集合する。また、京大浜に帰着した場合は、ただちに南方熊楠記念館へ避難する。
- 集合場所の南方熊楠記念館、各浜からの最寄りの高台の位置は必ず部員全員が把握しておくこと。白浜期の最初の練習で必ず避難経路の確認を行うこと。
2009/07/04 黒岩 浩太
2009/07/11 改訂 伊與田 淳平
2011/12/15 改訂 森山 翔太
2019/03/03 改訂 東原 大洋